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『日本歯科道具学会10年の歩みと医用歯科機器発展の展望』

                      日本歯科道具学会初代会長
北海道大学名誉教授
北海道医療大学客員教授
内山 洋一

〜日本歯科道具学会10年の歩み(上)〜

 2000年(平成12年)度より本学会は名称変更を行い、学会名を「日本医用歯科機器学会」と改めま
した。これに因んで本学会がこれまで歩んできました歴史を振り返って見たいと思います。
 

 この「日本歯科道具研究会」を設立した目的は、歯科医療において使用されている多くの器具・器材の中
で、それぞれの治療領域と各々の分野で必要とされる器具の持つ様々な道具としての機能を、使い手側であ
る臨床家の「使用感や使い勝手」について包括討議し、なおかつ臨床家を中心とした改良改善の提言や、新
しい開発アイデアなどを発表する場を提供することにありました。したがって、事務局は本会の設立を図っ
た主体であります東京の銀座に所在する日本医療文化センター内に置かれました。

 そもそも、本学会は1989年頃に「株式会社日本医療文化センター」が歯科医師・歯科技工士・歯科衛生
士・等の個人(発起会員)と、歯科関連企業、並びに法人、等の法人(協賛会員)を会員対象として設立を図
った「日本歯科道具研究会」がスタートです。 

 当時の発起募集の原案をみますと、発起顧問として、私の他に藤井弁次先生、長谷川二郎先生、桑田正博 先生(後で辞退されました)のお名前が載っています。 設立当初、200人を越す方々がこの会の目的に賛同されて正会員(発起会員)となられ、約30人に達する法人会員(歯科関連企業ならびに法人による協賛会員)の参加を得て1990年(平成2年)10月13日(土)に東京のホテル プレジデント青山で設立総会を開き、順調にスタートを切りました。その設立総会の中で東京医科歯科大学名誉教授、日本学士院会員の総山孝雄先生による「歯科道具をふりかえって」および、大阪大学歯学部歯科理工学講座教授の木村 博先生による「これからの歯科道具」と題する2題の設立記念講演が持たれ、好評を得ました。

【発起会員募集ポスター】 →

 本会の運営につきましては、会員の推薦により13人の「(世話人)委員」が選ばれ、その中から「委員
長」および「副委員長」が同様にして選出されました。「委員長」には私、「副委員長」には藤井弁次先生、
「委員」(敬称略)には岡崎卓司、野口八九重、斎藤 毅、長谷川二郎、覚道幸男、前原 潔、東海林芳郎、
松尾通、和久本貞雄、森田憲造、向井修二の諸先生が就任しました。
 
 
以後、年度を追って本会の活動状況を簡単に述べることにします。

[平成3年度]
 第1回日本歯科道具研究会・研究発表大会および第2回総会を1991年(平成3年)4月20日(土)
に東京・渋谷フォーラム8で開催。
 第2回定時総会では、会費について諮られ、研究発表大会は一般演題が10題で、特別基調講演を「手で
持つ歯科道具」と題して私が行いました。

[平成4年度]
 第2回日本歯科道具研究会・研究発表大会および第3回総会を1992年(平成4年)5月30日(土)
に東京・渋谷フォーラム8で開催。
 第3回定時総会は会計報告のみ。研究発表大会は一般演題が9題で、基調講演を「歯科機械の変遷と歴史」
と題して、長田電気工業鰍フ山口善男氏にお願いし、その他に「ここまで工夫され進歩した歯内療法器具」
と題するシンポジウムが、東海林芳郎委員を座長としてメーカー5社 (長田電気工業(株)、小貫医療器械
(有)、(株)林歯科商店、(株)モリタ製作所、(株)ヨシダ)にシンポジストをお願いして行いました。

[平成5年度]
 第3回日本歯科道具研究会・研究発表大会および第4回総会を1993年(平成5年)5月9日(土)に東
京・渋谷フォーラム8で開催。
 第4回定時総会では、会則の改正と役員の改選が諮られ、「委員」は「理事」に「(世話人)委員会」は
「理事会」に「委員長」は「会長」に改められました。研究発表大会は一般演題が9題で、特別講演を「歯
科医療における感染防止の考え方」と題して、東北大学歯学部歯科保存学第一講座教授の堀内 博先生にお願
いし、話題シンポジウムを「当社の感染防止対策と研究の成果」と題して、私が座長でメーカー10社((株)
東京歯材社、タカラベルモント(株)、(株)中西歯科機械製作所、(株)モリタ製作所、パナヘラウスデン
タル(株)、(株)東京技研、長田電気工業(株)、(株)ヨシダ、(株)日技、(株)ジーシー)にシンポ
ジストをお願いして行われました。
 この直後の5月20日に当研究会の事務局を担当していた(株)日本医療文化センターが破産し、事務局は
以後、会長の私が所属する北海道大学歯学部の歯科補綴学第二講座に置くことになりました。その際、事務局
長を担当して居られた日本医療文化センターの編集人の藤田 滋氏の機転と御配慮で、事務局で保管していた
全ての資料と会費が確保できました。藤田氏にはその後お会いしておりませんが、いずれ機会がありましたら、
改めて御礼を申し上げたいと思っています。

[平成6年度]
 第4回日本歯科道具研究会・研究発表大会および第5回総会を1994年(平成6年)5月8日(日)に大阪
歯科大学で開催(大会長:大阪歯科大学教授 藤井弁次先生)。
 第5回定時総会では会則の改正が諮られ、研究発表大会は一般発表が10題で、特別講演を「CAD/CAM
システムの現況と将来」と題して、京都大学生体医療工学研究センター助教授の堤 定美先生にお願いし、シン
ポジウムを理想の診療台を探る」“--ハードとソフトの調和を求めて--”と題して、東海林芳郎理事の座長で、
メーカー5社((株)モリタ製作所、長田電気工業(株)、タカラベルモント(株)、(株)ジーシー、(株)
ヨシダ)にシンポジストをお願いして行いました。

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