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   歯機器誌 JJDent Equip Vol.18 No.1 2013 (平成25年3月) 目次
巻頭言 共催フォーラムを開催して
第22回研究発表大会受賞リスト
☆第22回道具大賞にて発表 ↓クリックで冒頭を表示します
基調講演 歯科医療機器産業ビジョンの具現化
   〃

戦略的な歯科医療機器開発の促進

シンポジウム  在宅用歯科医療機器の開発 学会側からみた開発
   〃 産業界からみた在宅・訪問歯科診療用ポータブルユニットの条件 
   〃 在宅用歯科材料の開発 学会側からみた開発 
   〃 口腔ケア、在宅・訪問歯科診療用器材の開発産業界側からみた開発 
   〃 訪問診療用情報ネットワークシステムの概要
一般論文  1 .学校歯科健診用顎関節聴診器の考案
   〃 2.咬合調整時の使用を目的とした歯面吸着型咬合音検出装置の開発
   〃 3 .脊柱生理湾曲誘導・維持椅子安定器
   〃  4 .手指や腕への負担が少ないハンドル部の設計
   〃   5 .簡易型硬質レジン用LED光照射器の試作
   〃  6 .小型酸素ボンベを使用した等張オゾン水製造装置の量産試作
   〃  7 .訪問診療用トレーに関する比較検討
日本医用歯科機器学会理事会議事録
日本医用歯科機器学会会則
編集後記

訪問診療用トレーに関する比較検討
青柳裕仁、楳本貢三(神奈川歯科大学 生体材料器械学講座)
岩崎直彦、高橋英和(東京医科歯科大学 歯学部 口腔保健工学専攻、生体材料加工学分野)
赤坂徹、宮城敦(神奈川歯科大学 生体管理医学講座 障害者歯科学分野)
【緒言】
現在日本では、老齢人口が全人口の23%を超える超高齢社会に突入したことにより、何らかの理由で歯科医療を享受できない人々のさらなる増加が予想され、より一層在宅診療の重要性が増している。特に近年、QOLの概念から在宅での補綴治療に関しても、より需要が高まってきているが、院内と比較し制限が多く、非常に困難を極める状況が多い。また、近年では高齢者の死因の上位に誤嚥性肺炎が挙げられ、誤嚥性肺炎と口腔ケアとの関連が指摘されており、在宅での口腔ケアの重要性が高まっている一方、適切な補綴治療を行うことによる誤嚥性肺炎のリスク低下が報告されており、口腔ケアとの相乗効果が期待されている。したがって、今後在宅診療における補綴治療はより一層重要視されると考えられ、高齢者の平均残存歯数を考慮すれば、在宅診療における義歯作成の割合は特に高くなると考えられる。(続)
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小型酸素ボンベを使用した等張オゾン水製造装置の量産試作
新井浩一(日本捲線工業株式会社、日本大学歯学部歯科理工学講座、昭和大学歯学部歯科理工学教室)
廣瀬英晴(日本大学歯学部歯科理工学講座)
滝口裕一、玉置幸道、宮崎隆(昭和大学歯学部歯科理工学教室)
[緒言]
著者らは15年前からオゾンの安全性を考慮して、低濃度オゾンを利用した気体オゾン、オゾン水およびオゾン化オイルの製造機器の開発研究を行ってきている。その中のオゾン水製造装置で製造したオゾン水を傷口があるような場合に、傷に接触させると痛みを伴うことがあることが分かった。(続)
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簡易型硬質レジン用LED光照射器の試作
新井浩一(日本捲線工業株式会社、日本大学歯学部歯科理工学講座)
掛谷昌宏、廣瀬英晴、米山隆之(日本大学歯学部歯科理工学講座)
安藤進夫(日本歯科大学生命歯学部歯科理工学講座)
[緒言]
現在市販の硬質レジン用光照射器は、高価で、歯科も発熱も大きく、高い消費電力が必要であるという欠点がある。
一方、高齢化時代になり、訪問歯科診療も多くなりつつある。訪問歯科診療(寝たきり)の多くは、義歯床の修理であり、リベース材を使用することが多くなり、変形の少ない光硬化型リベース材の需要が今後多くなると予測されるが、小型・軽量で、しかも安価な光照射器は現在市販されていないため、この材料はほとんど使用されていないのが現状である。(続)
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手指や腕への負担が少ないハンドル部の設計
田中誠(愛歯技工専門学校)
【緒言】
日常、歯科で利用するインスツルメントや技工用エンジンは、造形的な加工に用いることから動作が複雑な上、利用頻度が高く、その操作が長時間に及ぶことも珍しくない。時には手指や腕に掛かる負担が肩や首にまで及ぶこともある。従来のインスツルメントのハンドル部では手指との接触が少なく不安定で、作用部に掛かる力に対する第1~第3指の(接触部に関連する筋群) 負担が大きくなる。
その点、ドライバーセットのハンドル設計は、手指、手掌部の骨格との協調性や様々な状況に応じられる多様性など優れた点があり、学ぶところが多い。(続)
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脊柱生理湾曲誘導・維持椅子安定器
西山和彦(あい歯科クリニック)
【緒言】
①地球上に生きる我々人は重力の影響を受けている。姿勢(脊柱排列)が悪いと歪みが生じ、様々な健康障害を及ぼす。
このために、日常生活で座位をとる時、脊柱に生理的湾曲が生じるように誘導・強制し、維持することを目的として、椅子座板に傾斜を生じさせ、その位置で安定させる、椅子脚に装着する器具を考案・製作した。
②また、歯科臨床応用として、下顎位は脊柱並びに頭位によって変化を受けるので、「いわゆる中心位」の咬合採得に本器の利用は有効と考えるが、作業中、頭位を安定させる工夫をした。(続)
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咬合調整時の使用を目的とした歯面吸着型咬合音検出装置の開発
沖和広、熊崎洋平、皆木省吾(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 咬合・有床義歯補綴学分野)
八木くるみ、脇元修一、山本陽太、鈴森康一(岡山大学大学院自然科学研究科 異分野融合先端研究コア)
【緒言】
融合接触によって歯に発生する咬合音あるいは振動を検出することによって歯の咬合状態を判定しようとする試みは過去にいくつか行われている。しかし、検出に用いるセンサの大きさや精度、コスト等の関係から、日常臨床において使用し得る検出システムとしてはこれまで提供されていない。一方で、インプラント、審美修復などをはじめとした精密な咬合接触の回復を必要とする場面は増加しつつあると考えられる。本研究は、1歯単位で装着可能な歯面吸着型咬合音検出装置の開発を目的とした(続)
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    -----------------  一般論文冒頭部分(抄録より抜粋)  ------------------
学校歯科健診用顎関節聴診器の考案
中辻勇志(中辻歯科医院)
[緒言]
近年、顎関節症は増加傾向にあり、とくに若年者にその傾向は顕著であるとする報告も多い。また学校歯科健診において、平成7年より「顎関節」の審査が導入された。
しかし、学校歯科健診の現場では1日に1人の検診者が約200人程度検診しなければならず、口腔内を検診後、詳しく顎関節を検診するのは時間的制約もあり困難であった。
既存の聴診器は、聴診音検出部の受音具が1つであるため顎関節を聴診するにも片側づつしか聴診することができなく、検診者と被検診者が比較的近づかなければならなかった。また1人ずつ順番に口腔内の検診後、デンタルミラーを置いてから聴診器を装着するにも少なからず時間を要した。
今回、できるだけ短時間で詳しく顎関節を検診するため検診用顎関節聴診器を考案したので報告する。(続)
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